2007年は超ハイクオリティな2次元動画を作る個人がドカドカ登場! あまりの技術力の高さに「才能の無駄遣い」とまで呼ばれた傑作が続出し、ネットの話題を独占したぞ。自作アニメやMADムービーの職人が集まったこの部門で、賞に輝いたのはこの作品!
2次元部門ではアニメやマンガなど、人間によるパフォーマンスでない動画をノミネート対象とした。ネタやストーリーなどを自作した動画を扱う「オリジナル」カテゴリとアニメなどの元素材を編集&加工した映像を音楽とミックスさせた「MADムービー」カテゴリの2つを審査したぞ。
動画といえばYouTubeが中心だった2006年は3次元動画の方が多かったが、ニコニコ動画が大ブレイクした2007年はアニメを使用した動画が増えている。単にテレビなどからキャプチャした動画ではなく、アニメを自作したり、映像に手を加えたクオリティの高い作品がほとんど。あまりに良作が多くてノミネート作品を絞り込むのが大変だったほどだ。
今回はネットでは従来から人気の高いフラッシュアニメもノミネート対象にした。フラッシュ作品は2006年に比べて減っているように見えるが、今年はもともとフラッシュの作品が動画に変換されてニコニコ動画などに投稿される例が多かったようだ。今年以降は定評のあるフラッシュ職人がニコニコ動画のブームと結びついてアニメ動画作家としてブレイクしていく例がさらに増えるかもしれない。今後も要注目の部門だ! 受賞作品だけでなく、ぜひすべてのノミネート作品を再生してみてほしい!(→2次元部門のノミネート作品リスト)
大激戦を極めた2次元部門では「エヴァのキャラの性別を逆転させてみた」が部門賞に輝いた。題名通りアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニング映像に登場するキャラの性別を逆にしたというものだ。性別を逆にしても違和感のないキャラもいれば、思わず突っ込みを入れたくなるようなキャラまでおり、エヴァを知らない人でも楽しめる。
エヴァンゲリオンのオープニング映像は昔からMADムービーの題材としてよく使われていたが、性別を入れ替えるという発想の作品はありそうでなかった。アイデアの面白さに加えて映像クオリティが高く、元の映像を大幅に書き換えているにもかかわらず一見しただけでは気づかないほど自然な仕上がりになっているのには驚きを隠せない。
性別を入れ替えただけでなく途中に笑える小ネタが挟まれているほか、オープニングだけでなく本編のキャラの性別を逆にしたシーンや「次回予告」まで入っている。アイデアと技術とネタ、すべてがバランスよく入っている良質なMADムービーだ。同じシリーズものとして本編のシーンで性別を逆にした続編も作られている。ぜひチェックしてほしい。
ベスト・オブ・脳内洗浄ムービー 2次元部門 部門賞
オマケとして次回予告が収録されており、かわいい女の子になったカヲルも登場する
続編では本編中のキャラの性別が逆になっている
大賞 受賞者コメント
※ 事前にコメントをいただけませんでした。
「エヴァのキャラの性別を逆転させてみた」は、エヴァンゲリオンのオープニング映像をキャラクターの性別を逆にして再現したというMAD動画だ。エヴァンゲリオンのオープニングはMADムービーの題材としては定番であり、面白い動画のアイデアが出尽くした感がある。そんな中でキャラの性別だけを変えてアニメを再現するという今までありそうでなかったアイデアが非常に面白い。またアイデアもさることながら、その単純なアイデアを形にするために使われている高い技術力、そして実際の動画の完成度が素晴らしい。笑えるネタやオマケなどもちりばめられており、エヴァを知らない人でも置いてけぼりにしない作りとなっている。2007年の2次元部門は、斬新なアイデアのものや技術レベルが高いものが多く、さまざまな「才能の無駄遣い」に楽しませてもらった。今年はどんな才能が現れるのかが今から楽しみだ。(☆☆☆☆☆)
部門賞に選出された「エヴァのキャラの性別を逆転させてみた」を初めて見たとき、まずそのアイディアに脱帽した。原作の貞本義行氏が描いたキャラクターは中性的な部分が多かったとはいえ、男女が入れ替え可能とは全く思いもよらなかった。動画の内容的なこだわりとクオリティの高さに脱帽。人物が出てくる全シーンに手が加えられており、しかもただ顔を書き換えただけではなく髪型や体型までもが修正されているのだ。思わずコマ送りしながら細かなところまでチェックした人は多いことだろう。シンコは驚異的にかわいく、レイはりりしく、ゲンコは……かなりキモい。何度も見返しているとエヴァの名シーンがいつの間にかこのキャラクターで脳内再生されるようになってくる。また本編の第壱話のダイジェストを丸ごと男女反転している続編も必見だ。もうこれで新劇場版を作ってもらいたいと思えるほどだ。どうですかね庵●監督。(☆☆☆☆★)
2007年は何と手描きの絵で元映像の雰囲気を再現したり元映像を大胆に書き換える「手描きMAD」が多数登場して大人気を博したため、部門賞もそれを反映した結果となった。かつてのMADムービーはアニメの映像をそのままつなぎ合わせただけのものが多かったため、たとえ面白いものでも完全オリジナルのアニメに比べて低く評価されがちだった。しかし高度な技術を駆使して元動画そっくりのパロディ作品を作り上げる手描きMADはオリジナルアニメにも引けを取らない。元動画に対する愛情と技術力を兼ね備えた名作の数々を見ていると感動すら覚える。かつては日の当たらない存在だったMAD動画だが、ニコニコ動画のおかげで大人気となって、職人が激増している。今年以降もさらに創造的で元作品へのアイデアに満ちたMADムービーが登場することに期待したい!(☆☆☆☆★)
2008年01月28日 15:29