MSの「Virtual PC」最新版でゲームパッチなどを安全に起動

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MSの仮想マシンツール「VirtualPC」の最新版がフリーになった。Windows上で別のWindowsを動かすことができるのだ。既に各所で話題になっているが、当サイトでは「ゲームパッチなどを安全に動かす環境を構築する」という目的に絞ってVirtualPCを紹介しよう。VirtualPCなどで作成する仮想マシンは、基本的に(メインマシン上ではできないような)無茶をするために存在する。仮想OSがウイルスに感染したって、仮想マシンごと削除すればメインマシンには何の害もないのだ。

ただし、問題がある。WindowsXPは、一ライセンス一マシン。メインOSとして利用している限り、仮想マシン上にインストールすることができない。「ライセンス上」という問題なのはもちろん、実際問題としてアクティベーションを通過できないので、一ヶ月しか利用できない。「アクティベーションが不要なXP」とかいう意味不明な代物を意味不明な手段を使って入手する、のは犯罪なので、もう一つXPを買うとか、XPの代わりに2000を使うとか、そういう感じでどうにかお願いします。

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VirtualPCをMSのダウンロードページからダウンロードしインストール。XP Professionalでしか使えないことになっているので、Home上にインストールしようとすると警告が出る。無視してインストールすると、編集部のテストではHomeでも動作したが、サポート外なので自己責任で。

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インストール後に起動し、コンソールで「新規」をクリックし仮想マシンを作成する。「名前」には分かりやすい名前を入力。

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今作成したのは仮想マシンで、いわば仮想的なマザーボード等。仮想マシンに接続する仮想的なHDD、バーチャルハードディスクを改めて作成する。「新しいバーチャルハードディスク」を選択し指示に従っていけばよい。

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仮想マシンを作成したら、WindowsインストールCDを物理ドライブに入れるかメインOS上の仮想ドライブにマウントし、「CD」から「物理ドライブの使用」をクリックする。メインマシン上のCD/DVDドライブを一時的に仮想マシンに使わせる、という意味。

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仮想マシンにCDを挿入した状態になるためWindowsのインストールが始まる。先ほど作成したバーチャルハードディスクドライブにWindowsをインストール。

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インストールが終わったら、メインOS上でマイドキュメント「My Virtual Machine」内にある拡張子「vhd」のバーチャルハードディスクドライブを別フォルダにコピーしておくことをオススメする。二つ目以降の仮想マシンを作るとき、再度Windowsをインストールするのは面倒だ。バックアップしておいたバーチャルハードディスクを適用させれば、Windowsインストール直後の状態を簡単に再現できる。

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メインOS上からファイルをドラッグ&ドロップすれば、メインOS → 仮想OSへのファイルコピーが行われる。地味ながら便利な機能だ。なお、SS通り仮想マシンは普通のウインドウ内で動作しているため、フルスクリーンのゲームを、メインマシン上のブラウザで攻略サイトを見ながら遊ぶ、といった用途にも適している。

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仮想マシンは、特に設定をしなくてもメインマシンと同一LAN上のローカルIPアドレスを所有しており、普通にネット接続できる。Windows標準のフォルダ共有機能を使い、メインOS ←→ 仮想OSで共有フォルダを参照し合うことも可能なので、メインOS上でダウンロードフォルダを共有しておくと良い。

このようなテクを駆使し、メインOS上で落とした「安全か分からない実行ファイル」は、仮想OSに渡して仮想OS上で実行していこう。まとめておくと、渡す方法は三通りだ。

・メインOS上のCD/DVDイメージファイル
メインOSにマウントしてから、「CD」「物理ドライブの使用」でドライブごと仮想OSに渡す。メインOS側では自動起動をオフにしておくことをお忘れ無く。
・メインOS上の巨大ファイル
Windows標準のフォルダ共有機能を使って渡す。
・メインOS上の小さなファイル
ドラッグ&ドロップで渡す。

また、「感染しても消せばよい」とはいえ、感染しない方が良いのは事実。仮想OSには、メインOSとは別のアンチウイルスを入れておこう。先日紹介したGoogleパックのノートンアンチウイルス半年無料版を仮想OSに入れて、VHDファイルコピーテクを使って半年に一回仮想OSを元に戻す……というのは割とグレーゾーンな気がするので、例えばメインOSにavast!を入れているなら仮想OSにはAVG、といった組み合わせを紹介するのが健全な雑誌の姿だ。

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よくあるアンチウイルス検出力比較テストなども、仮想マシンを利用しているものと思われる。通常、常駐保護機能付きのアンチウイルスは複数インストールできないが、仮想マシンを駆使すれば左SSのような状態を作れるからだ。……もちろん、仮想OSの数だけXPのライセンスが必要なので買うんですよ。

2006年07月13日 23時43分
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