宮崎駿氏がiPadを批判「ぼくには紙と鉛筆があればいい」
スタジオジブリが発行している小冊子の中で、宮崎駿氏がiPadを批判し話題となっている。「(iPadを)妙な手つきで自慰行為のようにさすっている」「世界に対して、自分で出かけていって想像力を注ぎ込むことをしないで、上前だけをはねる道具」とかなり痛烈だ。
スタジオジブリが発行している小冊子「熱風」のiPad特集に、「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」と題された宮崎氏のインタビューが掲載されている。その中で、インタビュワーが持っているiPadに対して、強い批判を行っている宮崎氏。内容は次の通りだ。
あなたが手にしている、そのゲーム機のようなものと、妙な手つきでさすっている仕草は気色わるいだけで、ぼくには何の感心も感動もありません。嫌悪感ならあります。その内に電車の中でその妙な手つきで自慰行為のようにさすっている人間が増えるんでしょうね。電車の中がマンガを読む人間だらけだった時も、ケイタイだらけになった時も、ウンザリして来ました。
あなたの人権を無視するようですが、あなたには調べられません。なぜなら、安宅型軍船の雰囲気や、そこで汗まみれに櫓を押し続ける男達への感心も共感もあなたは無縁だからです。世界に対して、自分で出かけていって想像力を注ぎ込むことをしないで、上前だけをはねる道具としてiナントカを握りしめ、さすっているだけだからです。
一刻も早くiナントカを手に入れて、全能感を手に入れたがっている人は、おそらく沢山いるでしょう。あのね、六〇年代にラジカセ(でっかいものです)にとびついて、何処へ行くにも誇らしげにぶらさげている人達がいました。今は年金受給者になっているでしょうが、その人達とあなたは同じです。新製品にとびついて、手に入れると得意になるただの消費者にすぎません。
あなたは消費者になってはいけない。生産する者になりなさい。
2010年07月13日 00時52分