Amazonがベータサイトを公開した「Amazon Windowshop」は、Amazonが抱える膨大な数の商品データベースを検索というウェブならではの手法ではなく、ウインドウショッピングという旧来の買い物の方法のメタファーを採用することで、ユーザーと商品との偶発的な出会いを演出する。Amazonに代表されるオンラインショップは、売れ筋以外の商品が長期にわたって売れ続ける「ロングテール」という市場を開拓したが、一方で実際に店頭に行ったときに偶然に手に取った商品を気に入り購入するという偶発的な出会いの機会を少なくしてきた（と個人的に思う）。Amazon Windowshopはオンラインショップの抱える、検索結果の中からしか商品を選べないという問題の解決に挑戦する。

現在のAmazon Windowshopは、ニューリリースの商品が中心であるが、音楽、ゲーム、本などAmazonで扱われている商品が陳列されており、カーソルキーで移動しながら商品間を移動することができる。気になる商品があれば、スペースキーを押すことで、音楽を試聴したり、動画を再生できたり、本のあらすじを確認できたりする。全く知らない著者やアーティストとの出会いがそこにはある。

Amazon Windowshopが、Amazonが管理しているユーザーごとのオススメ商品やこの商品を買った人が買っている商品情報などと結びついて、パーソナライズされたサービスに進化していけば、ウインドウショッピングのメタファーというだけにとどまらず、「精度の高い偶発的な商品との出会い」を提供することになる。

・Amazon Windowshop